STEAM教育は、これから先の未来を生きる子供にとって必要な能力を養うためのものです。教育の分野に携わる方であれば、「STEAM教育」というキーワード自体、馴染みのあるものになりつつあるのではないでしょうか。すでに、教育現場で活用できるSTEAM教育の教材を探している、セミナーなどに参加しているという方も多いかと思います。この記事では、STEAM教育の概要に触れたうえで、具体的な事例やおすすめの教材などについて解説します。STEAM教育を導入するために、ぜひ参考にしてください。
目次
- STEAM教育とは
- STEAM教育とプログラミング学習との違い
- STEAM教育が重要視される背景
- STEAM教育の日本での取り組み事例
- STEAM教育のメリットSTEAM教育で活用できる教材STEAM教育で活用できる教材を選ぶ3つのポイント
- 【教育現場向け】STEAM教育のおすすめの教材5選
- STEAM教育で教材を活用するならICT環境の整備が必要まとめ
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STEAM教育とは
STEAM教育とは、理数の理解と創造性の醸成を理念とする教育方法です。「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Art(芸術)」「Mathematics(数学)」の5つの言葉の頭文字をとり、STEAM教育と名付けられました。
現代では、社会とテクノロジーの関係が深くなっています。この状況下でさまざまな課題を解決するためには、STEAMの能力が重要です。そのため、文部科学省もSTEAM教育を推進しています。
STEAM教育とプログラミング学習との違い
プログラミング学習は、あくまでもプログラミング的思考を育てることを目的としています。プログラミングそのものを学ぶだけでなく、国語や算数などの教科を通してプログラミング的思考を育むことも可能です。よって、パソコンやタブレットなどを使用しなくても、教育を行えます。
一方、STEAM教育は、科学、技術、工学、芸術、数学の科目を横断しながら多角的な思考力を鍛えることを目的としています。
STEAM教育が重要視される背景
STEAM教育が特に注目されるようになったきっかけは、アメリカのオバマ元大統領が教育施策の1つとして取り上げたことです。STEAM教育に力を入れるため、年間数十億ドルの予算が割かれました。
IT技術の発展に伴い、テクノロジーによってビジネスを取り巻く環境は大きく変化しています。このように激しく変化し続ける環境のなかでしっかり活躍できる人材になるには、新しいアイデアを生み出す創造力と、課題を確実に解決する力が必要です。STEAM教育に取り組めば、それぞれの分野から横断的にそのような力を育むことが可能です。
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STEAM教育の日本での取り組み事例
日本では、埼玉大学のSTEM教育研究センターでSTEAM教育の取り組みが行われています。STEM教育研究センターは、どのようなSTEAM教育が求められているか模索し、STEAM教育の具体的な方法について研究している機関です。
大学内に子供たちが集まれるようにし、プログラミングやロボット技術などについて学べる機会を提供しています。また、学校と連携してSTEAM教育を推進したり、企業とともに教材を作成したりしています。
参考:STEM教育研究センター
STEAM教育のメリット
STEAM教育には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。以下でくわしく解説します。
論理的思考力・問題解決能力が身に付く
STEAM教育では、プログラミング学習をはじめとした、論理的思考力を養うための教育を行います。そのため、筋道を立てて物事を考える方法を身につけることができます。論理的思考力は、ビジネスシーンにおいても非常に重要な力です。
また、STEAM教育は単に教師が知識を伝えるだけでなく、子供が主体的に学習できるようになっています。よって、子供が自ら考えて問題を解決する力を養うことができます。
子供の将来に役立つ
STEAM教育では、芸術、技術、工学といった幅広い分野で必要な力を身につけられます。STEAM教育で培った力は、子供が将来それぞれの道で進学や就職をする際にも役立つ可能性が高くなってきます。多面的・横断的に学ぶことで"ある分野の力が他の分野で役立つ"という成功体験が、進路を考える際、または社会にでてから後々効いてくる場合もあるでしょう。また、STEAM教育の過程で"考える力"や"解決する力"を身に着けることから、"自分の将来を積極的に考え、選択する力"が自然と身についていきます。
また、今後一層AIがさまざまな場面で活用される時代が到来するにあたり、ITリテラシーが重要になります。STEAM教育に取り組むことで、子供たちは身につけるべきITリテラシーを高めることができます。
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STEAM教育で活用できる教材
日本でも、さまざまなSTEAM教育のための教材が登場しています。自宅で利用できる教材だけでなく、教育現場で活用できる教材も豊富です。たとえば、プログラミングでスケッチができるアプリケーションサービスも存在します。
教育現場に、STEAM教育が推進できる教材を導入することで、子供たちにとって必要な力をスムーズに育めるでしょう。実際にSTEAM教育向けの教材を導入し、教育を始めている学校も出てきました。
教材を選ぶ際に意識したいポイントや、おすすめの教材については、以下でくわしく解説します。
STEAM教育で活用できる教材を選ぶ3つのポイント
STEAM教育のために教材を選ぶ際には、いくつかポイントがあります。ここでは、ポイントを3つに絞って解説します。
1.子供の興味で選ぶ
STEAM教育は教師が一方的に何かを教えるのではなく、子供たちが主体的に取り組む教育方法です。子供たちが主体的に取り組むためには、子供たち自身が教材に興味をもっている必要があります。そのため、教材を選ぶ際も、まずは子供たちがどのようなテーマに興味があるのか把握することが大切です。そのうえで、子供たちにあう教材を選びましょう。
2.授業のテーマにあわせて選ぶ
STEAM教育では幅広い分野を扱っているため、教材は授業のテーマにあわせて選ぶ必要があります。たとえば、算数の授業にSTEAM教育を取り入れるなら、算数の能力を高められる教材を選ぶことが大切です。各分野に特化したSTEAM教育の教材があり、内容もさまざまです。授業で扱うテーマにあわせて教材を選びましょう。
3.年齢(対象)で選ぶ
STEAM教育の教材は、それぞれ対象となる年齢が異なります。STEAM教育の効果を発揮するには、年齢にあう教材を選ぶことが重要です。たとえば、1~3歳向けや4~5歳向けのように分けられています。また、小学生なら小学生向け、中学生なら中学生向けと、それぞれのレベルに合わせた教材を選びましょう。
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【教育現場向け】STEAM教育のおすすめの教材5選
教育現場で活用できるSTEAM教育の教材はさまざまあります。ここでは、おすすめの教材を5つ紹介します。
1.Music Blocks
Music Blocksは、プログラミング、算数、音楽の3つを同時に学べるソフトです。音程の数値を変えたりブロックを組み合わせたりして、プログラミングの考え方を学べます。また、クイズ形式で知識を学べるプリントも用意されており、学んだ内容が身についているか確認できます。
3つの分野について同時に学ぶため、どれかに苦手意識があっても楽しみながら学習を進めることが可能です。専用のクラウドが用意されており、自分が作った作品を世界中に公開する仕組みもあります。
2.Springin' Classroom
Springin' Classroomは、プログラミングを活用してさまざまな表現ができるアプリケーションです。文字は使わずにプログラミングの考え方を学べます。たとえば、自分で撮った写真や描いた絵を動かしたり、音楽をつけたりすることも可能です。
なかには、Springin' Classroomを利用してオリジナルの絵本を作成した学校もあります。また、録音機能を活用し、身近な音を録音して楽器を作った学校もあります。
3.シンクシンク
シンクシンクは、ゲームのような問題を解きながら思考センスを伸ばせる知育アプリです。ここでいう思考センスとは、空間認識、平面認識、試行錯誤、論理、数的処理のことです。思考センスを磨くための高品質な問題が120種類2万問以上あります。また、1日10分の制限が設けられており、子供たちが熱中しすぎる心配はありません。
カンボジアでの実証実験では、シンクシンクの活用によりIQや算数の偏差値が向上することがわかっています。
4.ロイロノート・スクール
ロイロノート・スクールは、自分と仲間の考えを共有するためのサービスです。生徒が考えていることを可視化し、教師やほかの生徒とシェアできます。書き込んだアイデアをつなげてスライドを作成できるため、短時間で発表の準備も整えられます。
また、ロイロノート・スクール上で教師から教材を生徒へ配布することも可能です。出欠管理や健康観察などの機能もついています。
5.アフレル
アフレルでは、Pythonのプログラミング学習ができます。専門的で高度な内容となっており、大学、高専、専門学校向けのSTEAM教育の教材です。AI について基礎から学べるため、誰でも無理なくPythonについて理解を深められます。
学習の過程を可視化でき、どこまで理解できたかすぐにわかります。実際にロボットを活用して演習ができるため、より実践的な知識やスキルを身につけることが可能です。
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STEAM教育で教材を活用するならICT環境の整備が必要
STEAM教育で活用できる教材はさまざまありますが、導入するには通信や端末など、ICT環境が整備されていることが前提条件となります。しかし、日本の教育現場では、ICT環境の整備がまだ十分に行き届いていない学校様が少なくないのが現状です。
STEAM教育をスムーズに進めるためにも、まずはICT環境の整備を進めましょう。ICT担当になったものの、何から手をつけていいのか分からない、時間がなくて一人ではやりきれない、やり取りする業者が多すぎるなどお困りの場合は、導入から活用までをワンストップで提案・支援可能な委託先を見つけるところから、STEAM教育推進の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
STEAM教育の実施により、子供たちは将来、社会にでてから必要となる力を養うことができます。幅広い分野を通してさまざまな知識や教養、考え方を身につけられます。STEAM教育用の多種多様な教材があるため、生徒たちの興味や年齢、授業テーマを考慮して、最適な教材を選びましょう。
KDDI まとめてオフィスでは、KDDIが長年培ってきた高品質でセキュアな通信を軸に、教育現場で役立つソリューションを提供しています。通信環境の整備から、ICT教育に必要なタブレット・パソコンなどの端末や教材も、ワンストップでご提供可能です。また、導入後の活用についての積極的なサポートや、教員のみなさまを対象にしたセミナーなども実施しております。ICT化、STEAM教育の推進についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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